完全アウェーで『学び合い』ができたのはこの上ない経験

今日で非常勤先での授業が終わりました。

 

7月下旬から今日までの約5か月間、終わってみれば長いようで短いようで…

気になって数えてみたら、216コマも授業をしていました。まぁ、週12単位だったらそうなりますよね。よくやったなぁ、私。

 

今日授業があったクラスでは授業の終わりに感想や改善点を書いてもらいました。「来年の4月から中学校の先生になるから、改善点あったら書いてくれると助かる~」と言ったら、「中学ならこうした方がいい」「これはやめておいた方が」といくつも書いてくれました。”元中学生”の意見はかなり参考になります。

 

5か月の非常勤講師生活を振り返って、学んだこと・感じたことは主に次の3点です。

 

①完全アウェーで『学び合い』ができたこと

コロナ下、縁もゆかりもない学校、初めて会う生徒たち、『学び合い』の実践者がいない職場という、私にとっては完全にアウェーな場で『学び合い』をすることができたのは、何ものにも代えがたい貴重な経験になりました。

 

昨年、飛び込み授業も学校連携プロジェクトでの『学び合い』の授業もやったことがありました。ただ、どちらもお願いされて『学び合い』をしているようなものなので「きっと現場に出たらこうはいかないんだろうな」と心の片隅では思っていました。

 

完全アウェーな状況で『学び合い』をすることで、『学び合い』が”変わっている”ということを再確認することができました。西川研究室にいると『学び合い』にどっぷりと浸かっているし、『学び合い』に興味がある人・肯定的な人と関わる機会が必然的に多くなるので、ともすれば視野が狭くなってしまいます。最初はできませんでしたが、だんだん『学び合い』をする自分を客観的に見ることができるようになった気がします。

 

②「したたかにやる」がなんとなくつかめてきた

西川先生はよく「したたかにやれ」とおっしゃいます。「『学び合い』が嫌いな人・興味がない人には『学び合い』を勧めない、無理強いしない」など、「したたかにやる」方法はいろいろあるのだろうと思います。

 

①でも書いた通り、校内に『学び合い』について相談できる人がおらず、誰に頼ったらいいのかもよくわからない状態で、私はハリネズミのようにピリピリした状態だったのかもしれません。

 

そのわりにいきなりフルで『学び合い』をしてしまうという愚かさ。

 

当然反発が出ます。特に生徒たちから反発されていたのですが、直接私のところに言いにくるわけではなく、他の先生を経由してやっと私のところに生徒たちの声が届くという状況。かなり堪えました。

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どん底に落ちたところで、『みんなで取り組む『学び合い』入門』に手を伸ばし、「あぁ、私やっちゃいけないことばっかりやってるじゃん」と、スッと我に返りました。

・いきなりフルで『学び合い』をすること

・「なぜやるのか」を最初にしっかり語らないまま進めること

・そもそも『学び合い』が現在の学校現場では特殊であることを忘れていること…

などなど、挙げればきりがないですが、”よくある失敗”のフルコースを経験し、生徒たちの声に耳を傾け改善していく中で、なんとなく自分の中で「したたかにやる」ということがつかめてきたような気がします。

 

非常勤講師という立場で、現場に出る前に一通りの失敗を経験できたのは、ある意味大きな財産だったのかもしれません。相当しんどかったですけどね。

 

③わかりやすく説明する力は生徒からの信頼につながる

今日授業の最後に書いてもらった感想のなかには

板書がわかりやすい

説明がわかりやすかった

というようなコメントが思いのほかたくさんありました。

 

「授業がわかりやすい」というのは生徒からの信頼に直結するんだなぁと思います。

 

「わかりやすいことがいいことなのか」とか「生徒たちは本当にわかっているのか。わかった気になっているのではないのか」とか、そもそも論がいくつも頭に浮かんできますが、まずは生徒たちから信頼され受け入れられないことには、私が語りたいこと・伝えたいことにも耳を貸してもらえません。

 

私は教材文の内容をかみ砕いて再構成するのが、比較的得意なのかもしれません。たぶんですが。それが、生徒たちの言う「わかりやすい板書」「わかりやすい説明」につながっている気がします。それが私の持つ強みなのかもしれません。

 

この5ヶ月間は本当に大変だったし、いろいろなところに迷惑をかけてばかりでしたが、なんとか途中で体調を崩すことなくやりきることができました。

 

私を受け入れてくれた生徒たちや非常勤先の先生方には感謝するばかりです。