後輩の特権

今週、自分の個人研究の方向性をグループ内で5分で発表する、という大学院の講義(?)がある。

 

私はもともと研究向きの人間ではない(素朴な疑問が浮かんでこず、とりあえず鵜呑みにしてしまう悪い意味での優等生型)ので、今日もその準備に四苦八苦していた。

 

研究には新規性が必須である。二番煎じは研究とは言えない。

しかしながら、現段階の私の個人研究の内容は完全に「今後やってみたいこと」レベルに留まっており、新規性のかけらもない。

 

そんなこんなでうんうん唸っていたら、研究室に西川先生登場。

 

試しに、「個人研究の新規性が見えてこないんですよねー」と相談してみたら、「じゃあ、結局研究テーマは決まりませんでした、って発表すれば?」との答えが。

曰く、「変に取り繕って話すよりは、素直に「決まりませんでした、どうすればいいでしょう?」って聞けばいいんだよ。この時点で完成形なんて求められてないから」とのこと。

 

いつものことながら、実にシンプルな答え。

 

たしかに、そもそも院に進んでまだ半年も経っていない。その段階で個人研究の方向性がきっちり決まっており、新規性もあるとしたら、教員より研究者になった方がいい。

 

しかも私のグループは、幸か不幸か私以外は全員M2の先輩方ばかりだ。教採も目白押しだし、とりあえず最低限やることはやった上で、背伸びせずに素直に先輩方の教えを乞おう。先輩に教えを乞えるのも後輩の特権だ。せめて「後輩」でいるうちに使っておかなければ。