「サイレントマジョリティは賛成」なのか?

今朝Twitterを見ていたら、こんなフレーズが目に飛び込んできた。

 

"サイレントマジョリティは賛成です。"

 

某アイドルグループの歌詞の話かと思ったらそうではない。

 

大学入試改革に関する文部科学大臣の発言である。

 

来年から始まる大学入学共通テストについては、さまざまなところで賛否両論上がっている。(私のまわりでは"否"が多いのだが)

国語・数学の記述式問題の導入、英語の外部試験利用…etc

実際に始まるまであと約1年というところで、まだ変更や修正が続いている。

 

冒頭で示した、「サイレントマジョリティは賛成です。」というのは、いささか暴論すぎるのではないかと思う。根拠が示されていないからだ。いったい誰を指して"サイレントマジョリティ"だと言うのだろうか。当事者である高校生の声は、大臣まではなかなか届かないだろう。全高校生にアンケートを取った訳でもないだろうし、そもそも日々の生活でいっぱいいっぱいな生徒も多いんだろうなと思う。

 

 

共通テストに関して私が最も危惧しているのは、試験の公平性が保てないのではないかということだ。

 

従来のセンター試験は、公平性はきちんと担保されていたように思う。全国の高校生が基本的に同じ試験問題を受けるのだから。

 

しかし、特に英語は外部試験を利用するとなると、英検とGTECなど異なる試験を利用した場合、果たして公平性が担保されるのだろうかと不安になる。

 

また、田舎や遠隔地の学校は、受験機会という点で圧倒的なハンデを背負う。これは関東の学校で講師をしていてひしひしと感じた点である。

かたや、数分に1本ペースで来る電車で30分以内に会場に到着、かたや、1時間に1本しかない電車で片道1時間。いくら受験するチャンスはあると言ったって、受験に使う労力は田舎は都会の比ではない。

 

大学入試だけが全てではない。ただ、依然として学歴社会、かつ新卒一括採用の風潮が根強い日本では、一度つまづいてしまうことが大きな壁になってしまう可能性も高い。

 

最も影響を受ける高校生にとって、入試制度改革が「得」になるためにはどうしていけばよいのか、真剣に考えていく必要がある。