『12歳の少女が見つけたお金のしくみ』(泉美智子)読了

また学級文庫に置きたい本が一冊増えました。

今日は久しぶりに丸一日お休みだったので、勤務先の図書室にあった、泉美智子さんの『12歳の少女が見つけたお金のしくみ』を読みました。

 

投資を始めたり、FP検定3級を取ったりする中で、お金についての興味関心が湧いているためか、本屋さんや図書室でもお金に関する本に目が行きます。

 

この本は、泉さん主催の「夏休み 子どものためのお金セミナー」に参加していた、当時小6の久谷理紗さんが書いた『モノの値段を考える』というレポートがベースになっているそうです。

 

原案であるレポートのうち何枚かが載っていたのですが、需要と供給や裁定取引など、身近なお金についての考察がイラストとともに丁寧に書かれていてびっくり。

 

この本はマンガ部分とイラストがたくさん入った説明部分に分かれていて、小中学生でも理解できそうなわかりやすい内容になっています。

 

2章の「いろいろなモノの値段」では、景色、空気、水の値段・ゴミを捨てる値段という身近なモノの値段から、時間の値段・命の値段・臓器の値段など、なかなか値段のつけにくいものの値段について書いてあります。

 

1998年のシチズン意識調査によれば、「可処分時間(自由に使える時間)1時間にどれだけの値段を払うか」を会社員400人に聞いた結果は平均で2,497円だったそうです(p.79)。「私ならいくらの値段をつけるかなぁ」と思わず考えてしまいました。

 

おもしろいなと思ったのは、世界の給料の比較です。単純に時給に換算するといくらかで比較する方法もありますが、「ビッグマック1個買うのにどれくらいの時間働かなければならないのか」で世界の賃金を比較することもできるのだとか。ちなみに日本は25分なのに対し、アフリカのシエラレオネでは136時間働かないとビッグマックは食べられないそうです。ビッグマック以外にも、スタバのラテ1個、iPhone1台を買うのにどれくらいの時間働かなければならないのかという「トール・ラテ指数」・「iPhone指数」なんてものも!(pp.116-118)

 

こうしたわかりやすいお金についての本を足がかりに、子どもたちが経済やお金のことについて考えていけるといいのかなぁ、なんて読んでいて思いました。