歯科矯正してよかったこと

大学1年生の時に歯科矯正を始めた。

ちょうど6月くらいだった気がする。

 

矯正のおかげで今は気にならなくなったが、以前は鏡を見たり写真を撮ったりするたびに内心ため息をついていた。

 

笑うと歯が見えてしまうため、なるべく歯が見えないように笑おうとするとぎこちない笑みになる。高校までの写真の中で、思いっきり笑った写真はほとんどない。高校の時の卒業アルバムは個人写真の撮影の時にうっかり歯を見せて笑ってしまったため、自分から見ようとは思えず、押し入れに眠っている。

普段の生活でも笑うときは平安貴族ばりに口元を手で隠していた。

 

歯並びのコンプレックスは自分だけではどうしようもない。

しかも矯正は保険適用外なのでお金がかかる。学生のうちはパトロンである保護者の許可がなければ矯正しようがない。

 

しかも私の親は体に異物が入るのを極端に嫌った。ピアスはもちろん、部活の時だけコンタクトレンズを使いたいと言った時も「眼鏡があるでしょ」と取り合ってもらえなかった。

 

高校生の時も矯正歯科に相談しに行ったことがあったのだが、歯を抜かなければならないのと治療費が100万を越えると言われ断念した。

 

「歯を抜いてまで矯正しなくてもいいでしょ」と親に言われたのは今でも覚えている。

「あなた(=親)は歯並びがきれいだからそんなことを言えるんだよ。歯並びがきれいになるなら歯を抜いたってかまわない」と思ったが、口には出せなかった。

 

大学生になり、歯石除去のため歯医者に行ったとき「今矯正しないと年を取ってから歯がなくなるよ」とお医者さんに言われ、とうとう矯正することになった。半ば脅しのようなこの言葉がなければ、親も首を縦に振らなかったかもしれない(ある意味感謝)。

 

矯正には大学4年間まるまるかかったが、歯を抜くこともなく、100万かかることもなく歯並びをよくすることができた。いいお医者さんに出会えてよかった。セカンドオピニオンって大事。

 

成長すればするほど骨は固まってくるので矯正はしにくくなるし、時間もかかる。そして、特に歯科矯正は見た目の問題はもちろんだが歯並びが悪いことによって歯の機能的な面も制限されてしまう。最悪年を取ってから歯がなくなるなんてことにもなりかねない。

 

歯並びは遺伝の要素も強いらしいので、もし将来自分に子どもができて歯並びやかみ合わせが悪かったら、本人の意志も尊重したうえで矯正を考えたいと思っている。

 

中学生や高校生の多感な時期に思いっきり笑えないのは本当につらい。歯科矯正でそれがなんとかなるならさせてあげたいと思う。

 

歯科矯正も保険適用にならないかなぁ、なんてひそかに思っている。

本のタイトルじゃないけど「人は見た目が9割」だから。

 

笑顔に魅力を感じる人が多い以上、歯並びの良さってかなり重要だと思うのだが、どうなんだろう。