先ほどメールを開いたら、昨年度の学校支援プロジェクトでお世話になった高校の先生からメールが届いていました。
私が昨年度実践した授業について、紹介してもよいかという確認の連絡でした。
その先生は今までの自分の実践をもとに考えをまとめていて、いつか機会があったらその考えを発表しようと考えているとのこと。そのテーマと私の実践につながるところがあり、もし発表することになったら実践例として紹介したいのだそうです。
すぐに「私の実践でよければどうぞお使いください」という旨、返信しました。
その実践は、村上春樹の『カンガルー日和』という作品を扱った授業のものでした。村上春樹の作品は独特の比喩表現が数多く登場します。『カンガルー日和』にも、父親カンガルーのことを、
才能が枯れ尽きてしまった作曲家のような顔つき
と直喩+擬人法で表現する部分が出てきます。
比喩や擬人法はイメージを膨らませるのに有効な表現技法です。
生徒たちには、「比喩や擬人法はイメージを膨らませるのに役に立つ」という知識を得るだけでなく、自分で表現技法を使ってみて、それを体感してほしいなと思い、こんな課題を作りました(実際のプリントを少し編集してあります)↓
この実践をしたあと、先ほどの先生から「比喩・擬人法を用いることで、生徒たちが自分自身を画像の動物に投影して考えることができる。そうすることで、安心して自分自身のことを表現することができていた」というコメントをいただきました。
先生がメールを送ってくるまで、私はこの実践のことをすっかり忘れていました。
一介の大学院生である私の実践が現場の先生に影響を与えていたことは素直にうれしかったし、現場に出る前の私にちょっと自信をくれました。