キャリア教育の研究を進めている。
プロトコル分析のため、今はインタビューデータを文字起こししている。
正直プロトコル分析するまでもなく、言いたいことははっきりしている。
「企業で働く方の中には、働く際に必要な力として異世代・年齢が離れた方とのコミュニケーション能力を挙げる人が多いが、高校教員はそれほど重要視していない。そして、そうしたコミュニケーションの機会は高校ではあまりない」
この主張の蓋然性を高めるために、時間を見つけてはインタビューデータをカタカタと文字にしている。
そしてもう1つ。
全国の都道府県教委に「キャリア教育の事例、特に地域の方々や地元の企業と関わるようなキャリア教育の事例があれば教えてもらえませんか」と片っ端から電話をかけている(と言っても、今は北陸で止まっているのだが)。
都道府県教委の返答はさまざまだ。
「こんな事例がありますよ」とデータを送ってくださるところもあるが、「キャリア教育は各高校に任せています」というところも多い。
それではキャリア教育を売りにしている学校があるか、というと「うーん…」という感じ。
学校のHPに進学実績や就職実績用のページを作っているところはあるが、「これこれこのようなキャリア教育をしています」とキャリア教育について明示しているところは(私の知る限りだが)あまり見ないし聞かない。
進学実績や就職実績イコールその学校の評価となっているせいなのか。
高校の出口としてはわかりやすいし明確だからなぁ。
それに至るまでのキャリア教育も大切だと思うのだが。
高校のステークホルダーである保護者・生徒の多くがキャリア教育そのものよりも進学・就職実績の方を望んでいるからなのかもしれない。
一方で、働く際に必要な力について知っている高校生はどれくらいいるのだろうか。
高卒就職者の約4割が3年以内に離職すること、その離職理由、そうならないためにどうすればいいか理解しているのだろうか。
高卒で就職する生徒の割合は近年少しずつだが上昇している。
きっと今後も増えていく(はず)。
キャリア教育を売りにしたり、デュアルシステムを組み込んだりした高校が出てきてもおかしくない。もしかしたらもうあるのかもしれない。
ちょっと調べてみよう。
もし知っている方がいれば、ぜひ教えてください。