教員の経験・想定なんてきっとたかが知れている。でも…

高校卒業後すぐに就職した方にインタビューして知ったのは、経済的な理由で就職せざるを得ない人が一定数いるということだ。

 

ちょっと考えればわかるはずのことなんだろうけど、私は今まで気づかなかった。

おそらく、私のまわりには進学する人しかいなかったからなのだろう。

 

私は普通科のいわゆる進学校出身で、同級生は進学か浪人の2択だった。講師をしていた学校もそう。

 

小中の同級生は大半が地元で就職しているが、私が高校生のときはすでに疎遠になっていたし、たとえつながりがあったとして、私が「なんで就職するの?」と聞いても「経済的に厳しいから…」とは答えなかったんじゃないかなと思う。

 

家庭の経済状況というのはかなりプライベートな話題だ。私がその立場だったとしても「早く社会に出て働きたいから」などとお茶を濁すような気がする。

 

人は自身が経験したことを、"ものさし"として全てのことに当てはめて考えがちである。

 

だから、意識していないと視野は狭くなるし、考えは硬直してしまう。

 

 

教員になれば生徒の家庭状況について知ることになる。闇を見ることにもなるだろう。

ただ、その業を抱える気はまったくない。抱えたら私が潰れてしまう。

 

それでも、「経済的な事情で就職せざるを得ない子がいる」ということを知っているか知らないかは大きいと思う。少なくとも生徒に語る内容や言葉の選び方は変わってくるはず。

 

気づくの遅かったかもしれないけど、今の段階で気づけてよかった。