図書館のなかをふらっと見て回っていたら、目に入ってきた。
もうタイトルの時点でおもしろい。ワクワクしてしまう。ハローキティとニーチェなんて、およそ想像したこともない組み合わせだ。
ニーチェは高校の倫理の授業でその存在を知ったが、「超人」「ルサンチマン」「神は死んだ」という言葉くらいしかパッと出てこないし、そもそもその言葉がどういう意味を持つのかなんて覚えてすらいない。
この本によると、ニーチェは「私たちはどう生きていけばよいのか」という問いに真剣に向き合った哲学者らしい。
この本で紹介されている『ツァラトゥストラはこう言った』というニーチェの本の中のさまざまなフレーズにも、今を生きていく上でヒントになることがたくさんある。
自分にとって大切なものは、自分ですら気づかないことかある。
ほんとうの自分のものは、自分の手がたやすくとどかぬように、たくみに隠されているからである。『第三部 重力の魔』(p.85より)
スルーするのも、大切な能力。
いつわりの小さな言葉に対して、あなたがたの耳をふさぐべきだ。『第四部 「ましな人間」について』(p.106より)
何かダメなことがあってもあなたがダメってことじゃない。
あなたがたが大きなことに失敗したとしても、だからといってあなたがた自身がーー失敗だというわけだろうか?『第四部 「ましな人間」について』(p.111より)
1ページに『ツァラトゥストラはこう言った』の中のフレーズをわかりやすく説明したものと、該当箇所の原文、そしてその内容に関連するキティちゃんのイラストが載っている。
「ニーチェちょっと気になるけど、いきなり原文はなぁ…」という人にはもってこいだと思う。
最近はネットで本を注文することが増えた。
お目当ての本があるなら、ネットで探した方が早いのだが、図書館や本屋さんだと思わぬ本との出会いがある。
これだから、図書館や本屋に行くのはやめられないのだ。