『モヤる言葉、ヤバイ人』(アルテイシア)読了

1学期の最後の道徳で、応援団長をするかチアリーダーをするか悩む女子中学生のお話を通して、性別と適性について考えました。

 

そのときに、ある生徒から「女子がチアリーダーやるのはわかるけど、男子がチアリーダーやるのはちょっと…男子が女子の制服を着るようなものじゃん」という発言が。

 

それに対し、「ん?」と思ったものの、とっさに取り上げることができずに流してしまい、自分の中でモヤモヤしていたので、ジェンダーに関わる本を読みたいなと思っていました。

 

今日読んだのが、アルテイシアさんの『モヤる言葉、ヤバイ人』。

アルテイシアさんの本は初めて読んだのですが、語り口が軽妙ですいすい頭の中に入ってきました。

 

そして、アルテイシアさんが挙げている「モヤる言葉」「ヤバイ人」の中には共感する部分が多く、アルテイシアさんの言葉を借りると、「わかるわかる♪」と膝パーカッションしたくなる感じでした。

 

「あなたは強いからいいよね」

「私は○○に偏見がないから」

「最近の若い奴は甘過ぎる」…etc.

こうした「モヤる言葉」は私の身の回りでも時折耳にします。

 

この本の良いところは、「モヤる言葉」「ヤバイ人」と遭遇した際にどう振る舞えばよいかが具体的に書いてあることです。

ハシビロコウのような真顔になる

・質問返しをする

・反射的に笑顔を出す癖を封印する

・「○○さんはそういう考えなんですね」とbot返しをする…などなど、曖昧に笑ってやり過ごしたり、現状を容認したりする以外の武装方法がわかります。

 

この本の中で最も印象に残ったのが、「自分の間違いを認めて反省し、学ぶ姿勢が大切である」ということ。

 人は過去の間違いを反省して、学ぶことが「できる。「あなたたちの中で罪を犯したことのない者がこの女に石を投げなさい」とイエスに言われたら、私は「すみませんでした‼」と石板の上に土下座する。

 世の中に一度も間違ったことがない人なんていないだろう。間違ったことがない人したジェンダーフェミニズムを語ってはいけないとなると、誰も語れなくなる。自分の間違いを認めて、反省すること。人の意見に耳を傾け、真摯に学ぶ姿勢が大切なのだ。(pp.67-68)

このフレーズを目にして少しホッとしました。私は教員なので、生徒たちの前に立つ以上、生徒たちのお手本になるような言動をしなければならないと考えています。ただ、私自身、知らないうちに相手をモヤっとさせていたり、自身の言動で相手を踏みつけたりしてしまっているかもしれません。

 

実際、昨年度は授業中に、男子生徒を「~くん」、女子生徒を「~さん」で呼んでいました。ジェンダー関係の本を読んで自身の誤りに気づき、今年度は全員「~さん」づけで呼んでいます。

 

私自身が学び続けることで、私の言動が変わることはもちろん、生徒たちの発言や行動に対して、より適切な反応が取れるようになるのだろうと思います。