西川先生の「本に書いてある」が腑に落ちた話

サボっていた個人研究に最近本腰を入れるようになった。

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以前このブログでも書いたのだが、インタビューデータのカテゴリー分けに悩んでいたのでゼミで質問してみたら「本に書いてあるよ」の後、丁寧にも「そのデータで何が言いたいかが明確になっていない段階でカテゴリーに分けてもおじゃんになる可能性が高いよ」と解説してもらった。

 

「本読んでるはずなんだけどなぁ」と思いつつ、また『実証的教育研究の技法』を図書館で借りて読み直してみたら、西川先生のおっしゃっていることが急にストンと腑に落ちた。

 

私がそのデータで言いたいことは「高校教員よりも企業で働く人の方が、”働く際に必要な力”に関して”コミュニケーション能力”を重要視している」ということ。

 

でもこの言いたいことと、実際にカテゴリー化して表にすることとが結びついていなかった。コミュニケーション能力以外の回答をどうカテゴリー化するかに集中していたのだ。

 

「コミュニケーション能力についての言及の有無」と「企業関係者か高校教員か」という2×2のクロス表で自分の言いたいことは伝わるんじゃないか、と気づいたときには、天啓が降ってきたような感覚だった。

 

最初に『実証的教育研究の技法』を読んだのは、たしか個人研究を始めると決めた昨年の今頃だった気がする。そのときはこの本が何を言いたいのかさっぱりわからなかった。しかし、手探りで研究を進めていき、折に触れて(というより何か困った時に)読み返すと、理解できる部分がどんどん増えていった。

 

カテゴリー分けについても、結局は本に全部書いてあったのだが、たぶん目に入っていなかったんだろう。「人間は自分が興味のあるものしか目に入ってこないんだな」というのを実感した。

 

研究だけではなく、『学び合い』に関しても普段から本を読んだり人と話したりして復習しておくのはもちろん大切なことだと思う。ただ、「困った!」という状況に立ち会ったとき、そこまで深刻ではない段階で、その「困った!」に関係する本を読むほうが、実際の場面をイメージしやすいし、自分の身にも入ってきやすいのではないかと思う。

 

腑に落ちるか落ちないかって、やっぱり自分の興味関心次第なんだなぁ。