キャリア教育の効果について卒業生を対象とした研究はとても数が少ない。
先行研究を調べていて、2019年までのキャリア教育の効果に関する論文を一覧にまとめた(ドンピシャの)論文を見つけ、「なんて素敵な論文♪」とワクワクしながら読んだのだが、卒業生を対象としたものはなんと4件のみ。
しかも、全国的なアンケート等のデータを量的に分析したものばかりで、インタビュー等をもとにした質的分析をしたものは(管見の限り←論文でよく使う)皆無。
その4つの中に「量的分析を聞き取り調査等で補完するのも有効」みたいなことが書いてあり、小躍りする私。新規性だ!
なぜこんなに卒業生を対象とした研究が少ないのかちょっと考えてみた。
単純に学校の手を離れているので追跡調査が難しいというのが一番の理由なんだろうというのはすぐに出てきたのだが、そもそも効果を測る方法がそんなにないんじゃないかとふと思った。
思い立ったが吉日ということで、昨日のゼミで西川先生に質問。
「卒業生を対象にする場合、キャリア教育の効果を測るにはどうすればよいか?」
その答えは、「離職率と比較すればよい」。
現在、高卒3年以内の離職率は40%近くにも上る。それと比較して、例えばある高校出身で高卒後すぐに就職した人の離職率を調べ、それが全国平均よりも低ければ、キャリア教育の効果があったという材料のひとつになるということらしい。
私の質問にひとしきり答えた後、先生は「まぁ、でもそれやるのすごく大変だと思うけどね」と一言。
大変だからやる人がいない。
ある意味新規性の宝庫だ。
私の研究はキャリア教育の効果そのものを測定するものではないけれど、先生の答えを聞いて、ちょっとだけ今の研究を進めていくエネルギーが湧いてきた。
さてさて、プロトコル分析やりますか。