昇段審査の日、ある生徒が「先生、お葬式のとき新札使わないのはなんでですか?」と聞いてきました。
「新札ってわざわざ用意しないといけないでしょ? お葬式のときに新札を使うと、"亡くなるのを待ってた"と思われちゃうからだめなんだよ」と答えたら、「あ、そっかぁ」と納得した様子でした。
ついでに、「だから、もしお葬式のときに新札しかないときは、一回折ってから袋に入れるんだよ」と言ったら、「えっ、めんどくさ〜」と素直な返事が。
「それがマナーなのよ。剣道の礼儀もそうでしょ? 行動にしないと目に見えないじゃない」と伝えました。
そもそも、「なぜお葬式のときに新札はだめなのか」と質問できるのがその子のすごいところですね。
中学生のときの私なら、疑問に思ってもスルーしてしまいそうです。
マナーは人の振る舞いを観察したり、親から教えてもらったりしながら自然と身につけていくもの。
ときには、失敗して恥をかきつつ体得していくものだと思います。
そういう私は人前で失敗をしたくないタイプなので、社会人になる前にマナー本を買って熟読しました。
まだお葬式でお香典を出すような経験はありませんが、生徒からの質問にすっと答えられてよかったと思いました。