非常勤先での授業もあと1週間ちょっと。
今日は復帰される先生との引き継ぎの日だった。
どの作品をどの順でやったか、1月末にある学年末考査の内容について…etc.
そして、気になる生徒、心配な生徒の話になった。
復帰される先生は4月の頭に少し授業をしただけだったそうで、生徒たちの顔と名前が一致しないらしく、年度の最初に撮ったクラス写真をもとに話をした(そういう私も5か月も一緒にいるのに、全員の顔と名前は正直一致していない…)。
クラス写真を見てみると、びっくり。今の姿とかなり違う。
「今の感じと全然違いますね~」と言ったら、「かなり厳しい服装チェックにクリアしないと撮影できないんですよ」とのこと。
特に高3は就職や進学の際に必要な証明写真代わりになるので、”ちゃんとした”格好で撮らなければならないらしい。どうりで髪も真っ黒だし、後ろで結んでるし、前髪も目にかかってないわけね、納得。
引継ぎは無事に終わり、少しずついなくなるための準備をする。
私物を持ち帰ったり、記名式のアンケートをシュレッダーにかけたり、ため込んでいた予備のプリント類を捨てたり、「ちょっと早いクリスマスプレゼント!」とばかりに最後の授業で配るプリントを印刷したり…
やることはけっこうたくさんある。
最初は研究と実習と非常勤と3つも同時に手を出して、果たして倒れずにやっていけるのか不安だったけど、なんだかんだでここまで来てしまった。
ずっと普通科で生きてきた人間なので、専門高校に合法的に潜入(?)できたのは大きな収穫だった。
私は来年からは中学校の教員になる(予定)。生徒たちの直近の進路である高校について、いろんなパターンを知っておいて損はない。
普通科高校と専門高校はまったく違う。
生徒たちは週の授業の半分以上実習をしている。
高校で学んだことが直接将来や進路に役に立つ人ばかりではないのだろうけど、それでも生徒たちを見ていると、高校時代の自分と比べて生きる力のようなものを感じる。
私は「教員になるためにまずは大学に行く」という目標があったので、普通科高校で学んだことはその目標達成のためには決して無駄ではなかったとは思うが、やっぱり高校の段階で何かしらの将来に直結しうる専門性を持っている生徒たちはかっこいいなぁと思う。
別に現代文ができなくても社会で生きていけそうな感じ。
気づいてないかもだけど、みんなは高校生の時の私よりもずっと貴重な学びを得ているんだよ
と生徒に言いたくなる。
非常勤先では驚きの連続だった。
・授業終了5分前に「豚の出荷で遅くなりましたー!」と生徒たちが教室にわらわら入ってくる
・クラスの半分が実習で外に出ていていない
・クラスの半分近くが高校卒業後就職する
・帰り際に呼び止められて、生徒作のモンブランを渡される
・卵や野菜の販売のため、教務室を練り歩く生徒たち
・稲刈りや野菜の収穫で公欠になる生徒がいる
・廊下に「○○(生徒の名前)のネギ!」と書かれた袋に入った大量のネギが置いてある
・教室に有精卵のふ化器が置いてあり、卵を温め続けている
などなど。
こうした光景を目にすることがなくなると思うと、ちょっと寂しいような気もする。
生徒たちにはこれからの人生を幸せに生きてほしい。そのために必要なことについて、自分なりにちょっとは伝えられたかな?
伝わってるといいな。
↑こんなことを、丸亀製麺で牡蠣たまあんかけうどんをすすりながら迫りくるネギを箸で器用にかわしつつ、ふと思った。
さて、これからプロトコルじゃ。