『学び合い』フォーラム2020に参加して

今日は、みんなde『学び合い』フォーラムに参加した。

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基調講演1 大阪市生野区山口照美さん

「一人も取りこぼさない学校・まちづくり〜経済格差を教育格差にしないために〜」

現在キャリア教育の研究をしていることもあり、”学校・まちづくり”というキーワードにわくわくしていた。「こどもや親が「しんどい」と気軽に言える相手が、たくさんいるまちにする」という生野区のコンセプトは素敵だと思う。

さまざまなお話の中で特に心に響いたのは次の2つ。

 

「居場所」と「持ち場」のあるまちへ

「居場所を作ることが大切」という話はよく耳にするのだが、「持ち場」というキーワードは初めてで印象的だった。

居場所はもちろん必要なのだが、自分が貢献できていると感じられる場としての「持ち場」があれば、人はそこで生きていきたいと思うのだろう。その持ち場を外に探すのではなく、自身の地元でそういった場所を見出すことができれば、人口流出問題も改善されるのではないかと感じた。

「難しい」は思考停止ワード

「前例がないから(難しい)」「予算がないから(難しい)」など、私も含め多くの人は「やらない言い訳」として「難しい」という語を使いがちなのかもしれない。「難しい」と思考停止するのではなく、あの手・この手・その手以上にたくさんの手を打てるようになりたい。

 

 

分科会 深山 智美さん(長崎県小学校教員) × 高橋 尚幸さん(福島県小学校教諭)

『学び合い』と共にある教師としての生き方〜私たちにとっての”一人も見捨てない”とは?〜

私自身あまり人に頼るのが得意ではなく、「自分でやったほうが早い」と思ってしまうタイプだったので、生徒には「1人も見捨てないことは得だよ」と言うものの、心のどこかで信じ切れていない部分があるなぁと感じていた。

 

髙橋さんのお話で、在り方としての『学び合い』と生き方としての『学び合い』というフレーズが出てきたのだが、「自分自身が「1人も見捨てないことの有益さ」を実感して生活していくこと」「より多くの同僚と折り合いをつけて生活していくこと」の2つが重要なのだと感じた。

 

私の中にある「人に頼るのが得意ではない」「自分でやった方が早い」というのは20数年間生きてきて積りに積もった性格だと思うので、まわりと折り合いをつけるのはもちろん、自分の中にあるそうした思いにも折り合いをつけていかなければならない。

 

深山さんは西川研究室OGで、教員をしながら今でも取材を続けていらっしゃるのだそう。取材を通してさまざまな方と対話を重ねてきた経験をもとにご自身の考えを話されている姿が印象的だった。また、「個別最適化が自己最適化に通じる」というお話にはなるほどと思った。

 

分科会を通して、「1人も見捨てないこと」について考え直すきっかけを得られた。

 

 

全国各地の『学び合い』の会(北信越

今回のフォーラムでは、全国の『学び合い』の会の主催者が集まり、地域ごとに交流するという機会があった。私は北信越のセッションに参加して、石川・福井・長野・新潟の方々と交流させていただいた。

オンラインで全国とつながることができるようになったとはいえ、自分のいる場所の近くで『学び合い』を実践している方がいて、その方とお話ができるというのはとても心強い。

 

北信越Aのセッションでは評価の話で盛り上がった。成績をつけるための評価と、生徒自身の成長に関する形成的評価をどうするか、テストをどうするか等、2学期の非常勤講師生活に向け、有益な話を聞くことができた。実際にテスト作って成績つけるのって責任重大だなぁと身構えていたので、すこし気持ちが軽くなった。

 

また「北信越の会」として2か月に1度くらいのペースで集まる会が発足しそうで、それもまた楽しみ。

 

 

今回の『学び合い』フォーラム2020では、『学び合い』を実践されている方、『学び合い』に興味のある方が全国にたくさんいらっしゃることを再確認した。

 

このフォーラムをきっかけにこうした方々とつながり、『学び合い』の会の主催者を増やしていくことで、全国に『学び合い』の輪を広げていきたいと思った、そんな素敵な1日だった。