自分のまわりで読んでいる人が何人かいて、みな読み終わった後必ず「モヤっとした」と言うので気になっていた本。
この本自体は文庫本なのでそんなに厚くはないし、そのうち半分は英語の原文が載っているので、10分もあればサクッと読めてしまう分量だ。
にもかかわらず…
確かに「モヤっとする」
読んでいて、「教育はある種の洗脳である」という言葉を思い出したが、この本に登場する若い女性教師がやったことは洗脳か、というとそれもまた違うような気もする。
最も印象的だったのは、お祈りをするシーン。
教師はお祈りのときにある仕掛けをするのだが、彼女を嫌っていたジョニーという男の子にその仕掛けを見破られてしまう。
そこで教師万事休すかと思ったのだが、彼女の方が何枚も上手だったのだ。
「神様はいるのか」という、ジョニーがずっと疑問に思っていたけれど、誰も答えてくれなかった問いに彼女が答えたことで、「この先生はうそをつかない人だ」とジョニーまでもが彼女のことを好きになり、信用するようになる。
教師は子どもの集団心理をいとも簡単に誘導できてしまうということがよくわかる。
(23分間だけだったから、というのもあるかもしれないが)
以前このブログでも書いたように、生徒側は教師の言ったことをわりと覚えているものである。
教師の生徒に対する影響力については、常に頭に置いておかなければなと思う。
そして、意味も考えずに何かに盲目的に従ってはいないか、ときどき立ち止まって考えてみよう。
「なぜ」を大切にしていきたい。