部活動の時間が長いほど、学力低下の傾向があるという分析結果が出たそうだ。
この記事を読んだ後、twitterを眺めていると
「全国学力・学習状況調査の結果だけでは、部活動の時間が長いほど学力低下の傾向があるとは一概に言えない。全国学力・学習状況調査は年度初めにやるものだが、部活動を引退後成績が伸びる生徒がいるからだ」
というようなツイートを見かけた。
以前の私なら、「確かに、部活引退後の生徒は伸びるって言うしなぁ」と納得していたと思う。
ただ、大学院にいる今はちょっと違う。
「部活引退後に生徒の成績が伸びる」ことには何かエビデンスがあるのだろうか、と考えてしまう。
大学院は基本研究をする場なので、常にエビデンスが求められる。研究だけでなく、教育実践も然り。
”教師の経験知”は重要だと思う。だが、それだけでは独りよがりになる可能性があるし、再現性は低くなってしまう。最近は、教師の経験知にエビデンスが加われば最強なのに、と思うようになった。
そして「部活引退後に生徒の成績が伸びる」ということも、”一概には言えない”のではないか。
そもそも実際に伸びているのか、何を尺度にして伸びていると言えるのか、考え出したらきりがない。
何かを目にしたり、耳にしたりしたときに鵜呑みにしてしまうのではなく、「本当にそうかな?」「エビデンスは?」と一歩立ち止まって考えるくせがついたのは、大学院に入ってからの成長だと思う。
子どもの人数が減少しており、多くの生徒や教員が疲弊している現在、部活動を現状のまま継続させるのはもはや不可能だと感じる。
部活動のあり方を考えていかなければならないし、部活をやりたい人・やりたくない人がうまく共存できるよう、感情論や経験ベースの考えだけでなく、エビデンスにも基づいてシステムを構築していければいいなと思う。