『学び合い』飛び込み授業・その4

昨日、自身4度目の飛び込み授業に行ってきた。今回は参観者として。前回高校2年生に対して飛び込み授業をさせてもらった学校だったのだが、今回は1年生が相手だったので楽しみにしていた。

 

1つ目の生物基礎は、バイオームの範囲。わからないところを質問しあったり、教え合ったりする様子が最初の方から見られて、よく動いているなぁと感じた。しかも、すごいと思ったのが、生物基礎での『』は初めてにも関わらず、きちんと自分の考えを自分の言葉で説明している生徒が多いということ。『』では、「○○についてクラスメイト3人に説明し、理解してもらったらサインをもらう」というような形式の課題を出すことがわりと多いが、どうしても説明しないまま“サイン集め”に終始してしまうことが多い。実際、私も『』の授業をしていて、そのような光景を何度も見ては歯がゆい思いをしていた。だから、一発勝負の飛び込み授業で生徒たちがしっかり説明しあう姿を見ることができ、感動した。

 

2つ目は化学基礎。中和滴定という、化学が苦手な生徒にとってはかなり難しく厳しい範囲(らしい)。課題の内容が難しく、量も多かったため、ネームプレートの動きは鈍かった。それでも終了間際にクラスの半分くらいが課題を達成。ただ、残り数分のところで諦めムードが漂っていたことと、時間になっても席に戻らず課題を続けていたことについては最後の語りで釘をさしていた。

 

授業後の検討会では、『』を実践する上での先生方の悩みや課題について知ることができた。印象に残ったのは次の3点。

①『』に興味のある先生ほど授業を見に来るし、質問の内容も鋭い

→今回飛び込み授業の依頼をしてくださった2人の先生は、前回・前々回の飛び込み授業を見学されていて、授業後の検討会でも厳しい質問をされていた方たちだった。前回は私が授業者で矢面に立ったが、批判的な質問もあったため、「『』についてあまりよくない印象を持っているのかな」と漠然と感じていた。だからこそ、授業前は内心「前回批判的だったこの先生方が依頼者なのか」と驚いていたのだが、授業後は「興味があるからこそ、参観したり質問をしたりする」ということを実感した。西川先生が常々言っている、「わかる人に伝わればよい」ということがなんとなく腑におちた。

②早く終わった時の対応

→「達成できなかったときよりも、終了時間よりも早く課題達成したときの対応が難しい」というコメントがあった。『』は始める前の環境づくりがキモなので、基本的に「早く達成したからプラスアルファこの課題」というような後出しじゃんけんは許されない。今回の飛び込み授業でも、1つ目の生物基礎の課題は終了10分前に終わっていた。それだけ素晴らしい集団であるということの表れなのでうれしいことではあるのだが、授業をする側としてはそうも言っていられない。対応の一つとしては、「残りの時間で課題の内容を深めてください」という指示を出すことが考えられる。また、事前に進度表を生徒に配布しておき、次の授業でやる部分を予習してもいいよ、というような指示を出すとやりやすい、というような話も出た。

③机の所属意識

→特別教室などは長机や大机があるので問題ないのだが、自教室で授業をすると自分の机から動きたがらなかったり、他の人の椅子に座ることをためらったりする生徒がいるそうだ。"これは自分の机"という机の所属意識が強いと生徒たちの自由な動きが阻害されてしまう。そのため、「教室内の机は誰のものでもないんだよ」という話を折に触れてしているそうだ。

 

いろいろ書いていたら長くなってしまった…

しかしながら、飛び込み授業に行くと、毎回新たな発見や驚きがあり、書かずにはいられなくなる。

院生のうちに、可能な限り飛び込み授業に関われたらいいな。