『そういうゲーム』(ヨシタケシンスケ著)読了

ヨシタケシンスケさんの絵本は、つい手に取ってみたくなる魅力があります。

日常のさまざまな出来事を「実はゲームなんだ」という視点で切り取っています。

 

そういえば、横断歩道を渡るときに白いところだけ渡れたら勝ち、とか、縁石の上だけ歩いて目的地まで行けたら勝ち、とか、そんなことを子どものときにやっていたなぁと思い出しました。

 

「◯◯できれば勝ち」という考え方は、一種のゲームのようなものですね。

 

"自分が並んでいるレジの方が早く進めば勝ち"だったり、"ラスト1個の季節限定ケーキを自分の1つ前の人までに頼まれなかったら勝ち"だったり、普段の生活の中でゲームっぽく考えていることは、 子どものときだけではなくて大人になった今でもけっこうあるんだなと感じました。

 

なかでも共感できたのは、

「しんどいきもちを どうにかまぎらわせて

 意味とか理由とか考えずに

 いやなことを思い出さないようにしながら

 明日の朝まで ふとんの中で息をしていれば かち。

 そういうゲーム。」

というフレーズ。

 

生きていればしんどいことは多々ありますが、とりあえず生きていればなんとかなるという、少し前向きな気持ちになれるページでした。

 

仕事で大変なことがあったときは、このページに戻ってこようかな。

 

絵本というと子ども向けのイメージがあります。ただ、この本もそうですし、ヨシタケシンスケさんの絵本は老若男女どんな人が読んでも自分に刺さる内容が入っているんじゃないかと思います。

 

すぐ読めて、しかも読後はじーんとするような、深く考えさせられるような、良い本をまた一つ見つけました。