『お父さんがキモい理由を説明するね』(中山順司)読了

『お父さんがキモい理由を説明するね 父と娘がガチでトークしました』

もう、タイトルの時点でおもしろい。

 

あと、私はあまり父親のことをキモいと思ったことがない(そもそも、「キモい」という言葉自体好きではないので使わないようにしているのだが)。

もちろん、頑固で人の話を聞かないところや言葉遣いがキツいところなど、ひそかに「イヤだなぁ」と思うことはあるが、生理的に無理だと思ったことはない。

洗濯物を別にしてくれ、と言った覚えもないし、露骨に避けた記憶もない。

だから、父親のどういう点をキモいと思うのかはちょっと興味があった。

 

父である中山さんのすごいなぁと思うところは、娘である中1のサオリさんの話を頭ごなしに否定したり批判したりすることなく、話を引き出すように丁寧に聞いていることだ。

普通、自分がキモいと思われている理由など聞きたくないだろうと思う。もちろん娘の話を聞きつつショックを受けていたことも本には書かれていたが、それでも「キモい理由」に真正面から向き合おうとしている姿はかっこいい。

 

恋愛観、死生観、夢と目標、いじめ、長所と短所、生きる意味など、かなり重めのテーマについて父親と本気で話す経験があったサオリさんはちょっとうらやましいなと思う。

 

家族と本気で話し合うのはしんどいし、テーマによっては少し照れくさいというか恥ずかしい。

でも、身近にいる存在だからこそ自分自身のことをよく見てくれているし、深い話もできるのかもしれないと感じた。

 

また、家族の失敗談を聞けるというのも素敵なことだと思う。本の中でも、「もっと勉強しておけばよかった」(父)、「東京の音大に行けばよかった」(母)など、両親の後悔していることを聞いてびっくりしているサオリさんの姿が書かれていた。それでも、失敗談の方が心に響くそうだ。これについてはなんとなくわかる気がする。

 

しくじり先生 俺みたいになるな‼」という番組があるくらいだ。失敗談や挫折経験にはその人らしさがにじみ出る、魅力的な話だと思う。

www.tv-asahi.co.jp

 

父と娘のガチトークだけではなく、娘とおじいちゃんのガチトークもおもしろかった。

私にはもう父方も母方も祖父母がこの世にいないので、祖父母が生きているうちにいろいろ話しておけばよかったなと少し後悔している。

 

両親もだんだん高齢になってきている。この本ほどガチなトークではないにしても、両親や妹と真面目に話す機会を作ってみようかなと思った。