『マカロンはマカロン』近藤史恵

「本を選ぶときはタイトルや表紙のデザインで選んでしまうんですよねぇ。僕の悪い癖」(某刑事ドラマの主人公風)

というわけで、私の本の選び方は「タイトルと表紙」命である。

大外れだったことはそんなにないのだが、選び方としてギャンブル感満載なのは言うまでもない。リスクを考えるとどうしても書店にふらっと行っていきなり購入する、というわけにはいかないから、定期的に図書館を徘徊する。

 

今回は大当たりだった。

『マカロンはマカロン近藤史恵

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シェフ、料理人、ソムリエ、ギャルソンの4人で切り盛りしている”ビストロ・パ・マル”を舞台に、シェフがお客さんたちの持ち込む謎を、おいしい料理を通して鮮やかに解き明かしていくミステリー。

 

もともとミステリーやサスペンスは大好き。本ではないが2時間サスペンスも大好物で、家で昼ご飯を食べながら両親と「この設定見たことある!(お昼のは再放送が大半なので)」とか、「このタイミングで出て来るってことはこの人が犯人だろうなぁ」とか言いながら見るのが楽しい。

 

本に話を戻そう。長編のミステリーも読みごたえがあって好きなのだが、さくっと読むにはこの『マカロンはマカロン』のように短編がひとつにまとまったものの方が都合がよい。

 

短編一つ一つのタイトルも素敵だ。

表題作の「マカロンはマカロン」のほか、

「共犯のピエ・ド・コション」

「追憶のブーダンノワール

ムッシュパピヨンに伝言を」

タルタルステーキの罠」…

 

思わず読みたいなぁと思ってしまうものばかり。出てくるお料理もとてもおいしそうで、こんなビストロが近くにあったら足しげく通ってしまうだろう。

 

肝心のミステリーも冴えている。読み返してみればヒントは散りばめられているのだが、私は”ワトソン君”体質なので、自力では謎の答えにたどりつけない。「おっ、そうくるかぁ」とどんでん返しの展開やひねりの効いた答えをおもしろがれるので、”ワトソン君”体質もそう悪いものではないのかもしれない。