『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う』(尾形真理子)読了

以前、このブログで紹介したTEA ENSEMBLEで私のもとにやってきた、尾形真理子さんの『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う』。

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前から気になっていた本でした。

 

この本には5つの短編が収録されています。悩みを持つ女性たちが渋谷のセレクトショップ"Closet"(クローゼット)で1着の洋服と出会い、悩みに向き合っていくお話です。

 

短編のタイトルも素敵です。

「可愛くなりたいって思うのは、

 ひとりぼっちじゃないってこと」

「好きは片思い。

 似合うは、両思い。」

 

私が一番共感したのは、最初の

「あなたといたい、と

 ひとりで平気、を

 いったりきたり。」というお話。

 

主人公のメイコは、ぷっくりした自分の指がコンプレックスでした。高校の同級生である良太郎と付き合い、「ふっくらした指がかわいい」と言ってもらったことで、自分の指もネイルをすればチャームポイントになるかもしれないと思い、ネイリストになります。良太郎との関係がぎくしゃくしたり、ネイルサロンのチーフに選ばれたものの自信がなかったりと悩みを抱えていました。そのため、気分転換をしようとお休みの日に渋谷に出かけます。そこで、セレクトショップのClosetを見つけます。

 

この本のお話に共通しているのは、Closetを訪れた女性たちは自分に似合うと思う服を試着するものの、それがあまり自分に似合っていないことに気づくということです。

 

そして、背の高い女性の店員が意外な1着をおすすめして、それを試着してみると驚くほど自分に似合っていることがわかります。そして、その服を買って前向きな気持ちになって店を後にするのです。

 

私もメイコのように、自分ではコンプレックスだと感じていたことを「そこが好きだよ」と言ってもらったことがあります。

 

そして、洋服1つで気持ちが大きく変わるというのもよくわかります。

 

この本を読んでいたら新しい服を作りたくなり、黒のスカートを作りました。

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(まだ裾処理が残っているので、完成ではありませんが)

 

色は黒なのですが、ジャガードで花柄が浮き上がっているように見えます。

 

新しい服というのは気分が上がるものですね。