私はときどき、学年ゼミで西川先生に家庭や子育ての質問をする。
昨日も、前々から聞いてみたいなと思っていたことをぶつけてみた。
「西川先生はサンタさんになったことはありますか?」
西川先生がお子さんの様子をビデオに撮ったり、運動会などの学校行事に参加したりしていることは知っていたが、サンタになっているところはどうも想像できなかったのだ。
詳細は省くが、わりと長い間”サンタさん”をやっていたそうだ。
ちょっと意外だった。
というのも、私が普段接するのは「研究者」としての西川純、もしくは「そこらにいるようなおじさん」としての西川純である。特に研究者としての西川先生は、自らのビジョンや論理に基づいて物事をスパスパと切っていくイメージが強い。
「サンタクロースなんて信じてないんじゃないのか」
「子どもの夢も一刀両断しているのでは?」
なんて勝手に思っていた。
しかしながら、1年近くの間、ゼミで子育てや家庭の様子を質問するにつれ、愛する家族に対して細やかな気配りをしている西川先生の姿を垣間見ることができた。
身近にいる人間の意外な一面が見えることほどおもしろいことはない。
先ほどの質問にひとしきり答えた後、西川先生から
「それにしても指導教員にする質問じゃないだろう」
というお言葉を頂戴したので、とっさに
「え、でも神羅万象天地間なんでも答えてくれるんですよね?笑」
とうそぶいたが、実際のところ、私が子育てについて質問するのには上に書いたような意図がある。