林 真未『困ったらここへおいでよ。日常生活支援サポートハウスの奇跡』読了

先日の『学び合い』の会でご一緒した林さんから、本をいただいた。

『困ったらここへおいでよ。日常生活支援サポートハウスの奇跡』

林さんが4年の歳月をかけて書き上げたルポである。

 

林さんは教師をしながら、人生における中心的な活動として家族支援をされているそうだ。現在は、家族支援の考え方を広めるべく、支援者向け・保護者や一般の人向け・教員向けのそれぞれ3つのサイトをスタートさせ、運営しているという。

(教員向け)

school.flejapan.com

 

『困ったらここへおいでよ。日常生活支援サポートハウスの奇跡』は、金沢で日常生活支援サポートハウスを運営している山本実千代さんの活動をまとめたものである。サポートハウスでは、一時預かりや長期預かり、野外体験活動等さまざまな活動を通して、障害があったり、虐待を受けたりしている子どもたちを受け入れ、支援をしている。行政だけでは手が届かないような、福祉の隙間にこぼれ落ちてしまうような子どもたちやその家族の居場所になっている。

 

正直、かなり重い内容の話もあり、読むのがつらくなっていったん本を閉じてしまったこともあった。また、自分の人生を投げうってサポートハウスを運営している山本さんに敬服するとともに、「自分には到底できないなぁ」と思った。

 

それでも、そのような現状を知っているのと知らないのとでは大きな差があると感じる。自分が困ったとき、まわりの誰かが困っているとき、「こんな選択肢もある」と思えるだけでも違ってくる。

 

私一人で生徒たちが持つ「闇」を抱えることはできないけれど、教員として自分に何ができるのか考えていかなければならないなと感じた。