部活動の運営は『学び合い』そのもの

正規の教員になるにあたって、教科指導や授業づくり、学級経営等の本は買いましたが、部活の指導に関する本は一度も勝ったことがありません。

 

もちろん、指導をする上でいろいろと悩むことはありましたが、自費で本を買って読むほど苦労はしてなかった気がします。

 

自分が経験したことのある競技だったので、自分が中学生だったころの記憶をもとに指導することができるというのもありますが、一番は「部活なんて『学び合い』そのものだよ」という西川先生の言葉のおかげなのかなと思います。

 

私は大学時代にけがをしたため、生徒たちと一緒に稽古をすることはできません。

 

部活の時間は道場にいて生徒たちの様子に目を配り、時折「左足のかかとが上がってない!」とか「そこ、声出さないと一本にならないよ」などと声をかけます。

 

そして、稽古後に今日の稽古について全体に話をして終わり。

 

あらかじめ部長とメニューの相談はするものの、活動時間の大半を生徒たちに任せ、活動中の生徒たちに声掛けをし、最後に今日の活動の評価をするという流れは、まさに『学び合い』そのものです。

 

引退した3年生は個々人のポテンシャルが非常に高かったのですが、1,2年生主体の新チームは中学から剣道を始めた生徒も多く、強いメンバーがそろっているわけではありません。

 

それでも部員の子たちは「試合で勝ちたい」と言ったので、私が徹底させているのは次の3つです。

 

①チームワークや部全体の雰囲気を良くするよう一人一人が努めること

②時間を守ること

③なんとなく練習するのではなく、攻め方・崩し方や技のバリエーションなどを考えながら稽古すること

 

①は、特に団体戦で結果を出すには重要なことです。また、部を継続していくという点でも、新入生が思わず入部したくなるような雰囲気を今から少しずつ作っていくのは大切なことです。雰囲気の良し悪しは一朝一夕でなんとかなるものではありません。

 

②は言わずもがなですが、限られた活動時間で集中して取り組むにはオンとオフの切り替えが重要になってきます。「○分に面をつける」と部長が言ったのであれば、全員がその時間にはおしゃべりをやめ、休憩時間モードから稽古モードに切り替え、面をつけ始めなければなりません。

 

③については、「試合で勝つ・結果を出す」というゴールから逆算して、自分には何が足りておらず、何をどう練習したらいいのか考えてほしいと思っています。

 

軸がこの3つに決まったので、評価のポイントも自然と絞られてきます。

 

新チームになってから気を付けているのは、稽古終わりに活動を評価する際、改善点だけでなくよかったところを必ず言うようにしていることです。

 

どうしても改善点の方を言いがちなのですが、できているところ、継続してほしいところをまず伝えないと、生徒たちもチーム全体としての到達度がわからず、困ってしまいます。

 

どうしても改善点の比重が重くなりがちなのは、気をつけなければならないところなんですけどね。