「なんでできないの?」の答えはだいたい決まっている

部活の中心メンバーが3年生から2年生に代替わりしてから約1か月。

 

2年生は練習を進めたり、1年生を指導したりするのに四苦八苦しています。

 

3年生がいるころから、「あなたたちは先輩という立場になったんだから、3年生の動きをよく見て、先輩として振る舞えるようになりなさい」と折に触れて伝えてきたものの、やはり3年生がいるときと今とでは責任感の強さが変わってきていると感じます。

 

自分たちが指示を出し、率先して動かなければ練習が成り立たないのですから、当たり前と言えば当たり前なのですが。

 

練習中に1年生に対して指導する姿がよく見られるようになってきましたが、ここのところ気になったのが、自分が指導した後に1年生ができなかったとき、2年生から発せられる「なんでできないの?」というフレーズでした。

 

これは放置しておいたらまずいなと思い、練習の終わりにこんな語りをしました。

 

練習中に聞こえた「なんでできないの?」っていうのが気になったんだけど、「なんでできないの?」っていう問いは愚問だと思うんだよね。だって”わかってない”からできないんでしょう? 1年生がわかっていないのは、2年生の指導が伝わっていないからかもしれないよね。それなのに、「なんでできないの?」って責められたら嫌になると思わない? 「なんでできないの?」って言う前に、できない原因を探してみて、できるまで指導するのが先輩であるあなたたちのやることだと思うよ。3年生の先輩たちは、あなたたちができるまで丁寧に教えてくれたでしょ? そこが、今のあなたたちと3年生との差ですね。

 

「できる人はできない人の気持ちがわからない」というのはよく聞く話ですが、部員たちを見ているとそのことがよくわかります。

 

2年生も1年前は初心者で、右も左もわからなかったはずなのに、1年たって先輩になると「なんでこんなことがわからないんだろう?」と思ってしまい、場合によってはそれが言葉に出てしまうのですから。

 

相手がどこまで理解できているか最初に確認し、できていないところを見極め、指導し、できるまでサポートする。

 

人を成長させるにはこのプロセスが必要なのかもしれないと考えさせられる出来事でした。