「おすすめの本を教えてほしい」
↑最近こんな無茶ぶりを私にしてきた人がいます。
人様の本棚が気になりがちで、かばんの中にはたいてい本が1冊入っているほど本も読書も好きな私ですが、人様に本をすすめるのはちょっと躊躇してしまいます。たぶん、こう思っているのは私だけではないはず。
「おすすめの本選び」って意外と難しいのです。
というのも、自分が読んできた本というのは自分の思考を形作る基礎となるもの。”自分の一部”と言っても過言ではありません。
少しおおげさかもしれませんが、「おすすめの本を他者に教える」というのは、私にとっては”自分の一部”を相手に差し出すくらいの感覚なのです。
それに加えて、自分がすすめた本が相手にフィットするかどうかは相手が実際にその本を読んでみないとわかりません。
実際に「おすすめの本を教えて」と言われたら、相手がどんな本を欲しているのか探るため、可能な限り相手のニーズを丁寧に聞いてから本を選ぶようにしています。
今回は、
①小説
②読後感あっさりめ
③青春小説だとなおよし
というオーダーでした。ここまで具体的にしてもらえると、選ぶ側としては助かります。
「小説 青春 おすすめ」で検索し、私が読んだことのある本の中から選んだのは次の2冊。
●『DIVE!!』森絵都
●『キケン』有川浩
森絵都さんの『DIVE!!』は飛び込みに青春をささげる男子3人の物語。
有川浩さんの『キケン』は「機械制御研究部・略してキケン」に所属する理系大学生のハチャメチャで笑える学生生活を描いています。
青春というと私は三浦しをんさんの『風が強く吹いている』や佐藤多佳子さんの『一瞬の風になれ』が好きなのですが(偶然ですがどっちも陸上がテーマだった)、わりと長編で「読後感あっさりめ」ではないので今回はパス。
無茶ぶりをした本人は私がおすすめした本をさっそく読んでくれて、ここがおもしろかったとか、あの場面が印象的だったなどと感想を送ってきてくれました。
今回のようにおすすめした本が相手にフィットすると、プレゼントを選んで相手に贈ったかのような気持ちになります。