プラスの価値づけがバンバンできる書写の授業は思いのほか楽しい

始まるまではあんなに戦々恐々としていた書写の授業でしたが、どのクラスも次回の授業がラストというところまで来ました。

 

「そんなに書道得意なわけでもないし、何も教えられないよ、どうしよう」と思っていたのですが、杞憂でした。

 

"毛筆には自信があるので最初から自分のペースでどんどん書いていくコース"と"不安だからまずは先生のポイント解説を聞いてから書きたいコース"の2コースを生徒自身で選ばせたら、生徒たちは思い思いのやり方で進めていました。

 

私は、生徒に配った「こうやって書くといいよ」というポイントが書かれたお手本の内容をなぞり、あとは生徒たちの間をくるくる回って字を見てコメントするのみ。

 

生徒が書いた字をさっと見て、よく書けているところを見つけ、「ここ上手く書けてるね〜」「この部分特に上手!」「この字素敵だわ〜」などと声をかけます。

 

そして、必要に応じて「この部分をこうすればもっと良くなると思うよ」と付け加えます。

 

習字を習っている生徒の字については、「うん、もはや私が言うことはないですね、上手!」と素直に賛辞を送ります。

 

こうしてプラスの価値づけをしていくと、生徒たちの方も心なしかうれしそうに見えます。

 

もちろん字の上手下手はあるのですが、それ以上に書写の授業は主体的に学習に取り組む態度が如実に現れるなと感じました。

 

書写は国語の授業の中でもかなりパフォーマンス重視な気がします。

 

お手本と自分が書いた字を見比べながら黙々と練習している子、友達と書いた字を見せ合って「ここがいい」「ここはもっとこうした方がいい」などと言い合っている子、「自分は字が上手ではないから」となかなか書き始めない子、規定の枚数をさっさと書き、近くの生徒にちょっかいを出している子…

 

生徒たちの姿は実にさまざまですが、その姿から「粘り強い取組を行おうとしている側面」と「自らの学習を調整しようとする側面」を見取ることができそうです。

 

字の上手い下手よりもそこを見たいんですよね。

 

前回の授業では、私がくるくると机間巡視をしていたため、クラス全体の様子を眺めることができなかったのが残念でした。

 

次回の授業では、私が見ているポイントを生徒たちに伝えた上で、個別指導は必要最小限にとどめ、生徒たち全体の様子を観察したいと思っています。