記述問題の採点の信頼性

NHKの取材により、現高2生から始まる大学入学共通テストの記述問題の採点要員として、大学生のアルバイトを活用する可能性があることが明らかになった。

 

私の専門が国語であることもあり、Twitterでは国語関係の人をフォローすることが多いのだが、昨日あたりからこの件で大騒ぎの状態だった。

 

記述の採点は、実際難しいと思う。試験最終日に3クラス分、100人を超える生徒の記述の答案が集まると、正直頭を抱えたくなる。

 

もちろん採点基準は先に決めておくのだが、採点を続けて疲れてくると、ブレが出てミスが起こりやすくなる。そして、複数の教員が組んでいる場合は採点にブレが出ないよう、何度も集まって確認する作業が必要になり、余計時間がかかる。

 

国語を専門とする教員が↑のような状態なのだとしたら、専門ではない大学生が採点したらどのようなことになるか、容易く想像できる。

 

もっとも心配なのは、大学生のアルバイトでは採点に対して責任を負えないということである。教員は評価者である以上、採点について説明責任が生じる。学校の考査でも、生徒が採点に疑問を持てば、採点基準に照らしてなぜそうなるのか説明しなければならない。全てのアルバイトにその責任を課すことはおそらく不可能である。

 

大学入試改革はすでに走り出してしまったので、受験生が不利益を被ることのないようにするにはどうすればよいか、皆で考えていかなければならない。

 

(そもそも、自分の記述の解答を書き写すひまなんかないと思うけど、だとしたらどうやって自己採点させるつもりなんだろう…)