実習生に向山洋一先生の本をおすすめしておいた話

実習生の指導をしていて感じたのは「指示の出し方や問いの内容は重要だ」ということです。

 

私が担当した実習生さんは、生徒に考えさせたり、生徒の考えを丁寧に拾おうとしたりする方でした。

 

その一方で、生徒に考えさせようとする余り、「○○とはどういうことですか?」というようなHowやWhy系のオープンクエスチョンが多いという課題がありました。オープンクエスチョンはYes/Noで答えられるようなクローズドクエスチョンに比べ、答えるのに時間がかかります。オープンクエスチョンばかりだと授業のテンポがどうしてもゆっくりになりがちです。

 

また、「○○して、~した後、□□してください」というように、1つの指示にいくつもの内容を盛り込んでおり、結局何をすればいいのかわかりにくい指示も見られました。

 

授業後のリフレクションで、ふと「向山洋一先生はご存じですか? 著書を読んだことはありますか?」と実習生さんに聞いてみました。

 

すると、「知りません」とのことだったので、実習の終盤に向山先生の本を「余裕があれば読んでみてください」と言って渡しました。

金曜日の最後の授業の後、リフレクションで「本を読んでから授業をしてみたら、指示の出し方が少し変わったような気がします」とのこと。確かに、最後の授業では単指示を積みかさねていく方式をとっており、授業のテンポもよくなっていました。今までは指示が長いために一度で生徒が理解できず、説明をつけ足した結果、授業がだれてしまうという場面が見られたので、大きな成長だなと感じました。

 

テクニックが自分のものになるのには時間がかかりますが、スタートの時点でそもそもテクニックを知っているか知らないかは大きな違いです。

 

学生のうちにテクニックと教育現場での処世術を知っておくと多少楽かもしれないと思い、ついでに西川先生の『新任1年目を生き抜く教師のサバイバル術、教えます』もおすすめしておきました。

私自身が「新卒のときに読んでおけばよかった」と感じた本を、実習の最後におすすめしておいてよかったなと思いました。

 

私に刺さった内容がその実習生さんに刺さるかどうかはわかりませんけどね。