芯の強い凛とした表情の女性のポートレートが印象的でした。
ルース・ベイダー・ギンズバーグ。
彼女は女性弁護士が全米にまだ3%しか存在しない時代に法曹界を志し、弁護士になり、大学で法律を教えた後、27年間も連邦最高裁判事を務めました。性差別の撤廃に尽力し、平等の実現に人生を捧げてきたそうです。
この本を読むまで私は彼女の存在を知らなかったのですが、彼女の生き様は思わず「かっこいい…」とため息を漏らしたくなるほど。
彼女の生き方には、母親が与える影響が大きかったそうです。勤勉で聡明だった彼女の母は、彼女に「自立すること」、そして「レディーになること」を望みました。「レディー」とは、「怒りや嫉妬、後悔などのエネルギーを奪うだけで役に立たない感情には流されない女性」のことなのだとか。
彼女はユダヤ人であり、女性であり、母でもあるという当時のアメリカの法曹界では就職が厳しい条件を3つも抱えていました。それでも、社会のあらゆる階層で、男性と女性が真の意味でパートナーになり、今よりも暮らしやすい世界を実現するために闘い続けました。
彼女の名言に、
大切なことのために闘いなさい。
ただし、周囲の人が協力してくれるような方法でおやりなさい。
というものがあります。
アウェーな状況の中で平等の実現のために奮闘してきた彼女らしい言葉だと思いました。
私も、自立して大切な人や大切なことのために闘えるだけの力をつけたいなと感じる一冊でした。