「失恋したら髪を切ってイメチェン」に対するひそかな憧れ

久しぶりに髪を切った。けっこうばっさり(と言っても10センチくらい)。

このまま年末年始を迎えるのはまずいかなと思うくらいには伸びていた。

 

髪を切ると言えば、手っ取り早いイメチェンの方法である。

服のテイストを変える、メイクを変える…などなどイメチェン方法はいろいろあるけれど、ロングからボブくらいにまでばっさり切ってしまえば、その人がまとう雰囲気は大きく変わる。

 

私は昔から「失恋したら髪を切る」というイメチェン方法にひそかな憧れを持っていた。

 

別に失恋を経験してこなかったというわけではない。

 

”切る髪がなかった”のだ、物理的に。

中学・高校と運動部に入っていたこともあり、ベリーショートだったのだ。これ以上切るとしたらバリカンを持ち出さないとならなくなる。さすがに坊主は嫌だ。

 

当時流行っていた「毛先10センチが思いのまま!」というCMの謳い文句なんて夢のまた夢だった。私の場合、「毛先10センチ」なんて言ったら頭皮にめり込んでしまう。

 

高校の卒業式で袴を着ることになり、高3で部活を辞めてから一念発起して髪を伸ばし始めた。高3の卒業時にはやっとボブぐらいになった。

そこから大学時代も少しずつ伸ばし続けて、今はセミロングくらいになっている。

 

髪を伸ばすのは私にとっては本当に大変なことだった。ある程度伸びれば髪の重みで落ち着くのだが、伸ばしている途中はあっちにはねたりこっちに変なクセがついたり、頭の上は大騒ぎ。

 

これだけ伸ばすのが大変だったので、「失恋ごときで髪を切るのもなぁ…」という思いが私の中にある。

 

ばっさり切って何もかも変えたいと思うほどの失恋を経験していないのは幸か不幸か…

 

「失恋して髪を切ってイメチェン」に対するひそかな憧れはこのまま一生続くかもしれない。