よく行くカフェにあった、原田マハさんの『アノニム』。
日曜日に行ったときに見つけて、4分の1くらい読んで本棚にしまったのですが、やっぱり続きが気になってしまい、カフェにこもって読むことに。
表紙は、ジャクソン・ポロックの絵。彼の絵は現代アートに分類されます。以前美術館でジャクソン・ポロックの絵を見たことがありますが、「何を描きたかったんだろう、よくわかんない絵だなぁ」と思うと同時に、得体のしれない迫力というか絵のすごさを感じた記憶があります。
『アノニム』の舞台は香港。ジャクソン・ポロックの幻の傑作がオークションにかけられることになり、真矢美里(通称ミリ)は7人の仲間と、あるミッション挑みます。ミリと仲間たちこそ、違法に奪われた絵画をもとの持ち主のところへ戻す義賊のような集団「アノニム(anonym)」だったのです。
このお話はアノニムのストーリーと同時進行で、アーティスト志望の高校生・張英才のストーリーも描かれます。張英才のもとに「アノニム」から”「ジャクソン・ポロック」の本物を見たくないか?”というようなメッセージが届くのです。
「アノニム」のミッションの行方や張英才がどんな選択をしてどう変わっていくのかが、この『アノニム』の見どころだと思います。特にオークションのシーンは読んでいるこちらも手に汗握る展開で、読みごたえ抜群です。
登場人物が多いので、名前が出るたびに巻頭の登場人物紹介のページまで戻ってプロフィールを確認しながら読んでいたので少し時間はかかりましたが、登場人物紹介がイラストつきだったのでイメージしやすかったです。
やっぱり、原田マハさんの作品はいいなぁ、と再確認できた一冊でした。