『ただいま神様当番』(青山美智子)読了

私の推し作家さんの一人である青山美智子さんの作品、『ただいま神様当番』。

ミニチュア写真家の田中達也さんのカバー写真も素敵です。

 

ある朝目を覚ますと、腕に大きく「神様当番」という文字が出現。突然現れた神様のお願いを叶えないと、その文字は消えないという設定。

 

『猫のお告げは木の下で』といい、今回読んだ『ただいま神様当番』といい、「どうやったらそんなお話の設定が思いつくのだろう」と読んでいてため息が出ます。

 

毎朝、同じバス停で同じ時間にバスを待つ5人の登場人物が、順番に「神様当番」になります。

 

5人のお話の中でも、私は1人目と2人目のストーリーに共感しました。

 

1人目の幸せの順番待ちに疲れたOLさんのお話では、Facebookの友達申請を躊躇するときの気持ちが手に取るように伝わってきました。

自分から誘わないのは、ひとえに断られるのが怖いからだ。もしくは、断られないまでも本当はイヤイヤOKなんじゃないかと不安だからだ。(p.51)

この「断られるのが怖い」という感じ、本当によくわかります。

 

きっと私も、今まであと一歩踏み出せなかったために手に入れられなかったものがあるんだろうなと思います。

 

その点、彼女は神様当番のおかげで(?)、一歩踏み出すことができているのがいいなと思いました。

 

また、2人目の小学生の女の子のお話では、弟のことをちょっといやだな、恥ずかしいなと思ってしまう気持ちに共感できました。

 

私には妹がいますが、小中学生の頃はよくケンカをしていて、「妹なんていなければいいのに」と感じたこともありました。同じように妹は「お姉ちゃんなんかいなきゃいいのに」だったのかもしれませんが。

 

それでもやっぱり、私にとって妹は大切な存在です。

 

青山さんの作品に出てくる登場人物を見ていると、「あれ、この人誰かに似ている気がする」「これはひょっとして私のことかも」などと思い、勝手に親近感が湧いてくるという魅力があります。

 

神様のお願いごとは突拍子がなくて、ときに理不尽にも感じられるものかもしれないけれど、あんな神様が自分の元にも来てくれたらなぁ、なんて感じた作品でした。