Chat GPTに"自分流『枕草子』を書かせてみて考えたこと

私がChat GPTに興味を持ったのは、「今後、生徒たちがChat GPTを使って作文やレポート課題に取り組むとしたら、どのような課題設定をすればよいのか」と思ったからです。

 

Chat GPTが使える環境で作文を書かせたとき、Chat GPTの回答そのままなのか、Chat GPTの回答を参考にして自分で書いたのかは判断できない気がします。

 

今までは完全に自力での勝負だったものが、Chat GPTが入ってくることによってどのように評価すればよいのか、きっと悩むだろうなと思いました。

 

ただ、実際にChat GPTで文章を作ってみた感想としては、「自分が必要とする文章をChat GPTに答えさせるための質問を考えるのは、思いのほか難しそうだ」ということ。

 

ちなみに、今週の授業で中2の生徒たちに書かせようと思っていた、自分流『枕草子』をChat GPTに書いてもらいました。

条件は、

・『枕草子』の「春はあけぼの」から始まる序段の文章を真似して、自分流の『枕草子』を書くこと。

・「をかし(素敵)」と「わろし(好ましくない)」の対比を文章中に1つ以上入れること。

・食べ物や学校行事、植物など、1つのテーマに沿った季節の物事について書くこと。

 

ちなみに、Chat GPTに入力したのは次の文章です。

清少納言の『枕草子』の「春はあけぼの」から始まる序段の文章の書き方を真似して、食べ物をテーマにした四季についての随筆を現代語で書いてください。 中学生が書くことを想定して書いてください。 文字数は、春から冬までの文章全体が200字以上250字以内に収まるように書いてください。 冬について書くときは、素敵なものと好ましくないものの対比を1つ以上入れてください。

 

そして、出来上がった文章がこちら↓

春はやさしい朝の光とともにやってきます。朝日が昇ると、花々がそっと目を覚まし、元気に咲き誇ります。桜の花びらが風に舞い、甘い香りが漂います。春は新たな命が芽吹く季節で、野菜や果物もたくさん実ります。

夏は太陽の熱さとともに訪れます。夏の日は暑くて、汗がにじみ出るほどですが、夏休みの楽しみも待っています。ビーチで食べる冷たいかき氷や、プールサイドで頬張る冷たいスイカは最高です。夏野菜もおいしいですね。トマトやきゅうりは、さっぱりとしていて、暑い日にぴったりです。

秋は風に吹かれる涼しさとともに訪れます。夏の暑さが和らぎ、空気が澄んでいます。秋は収穫の季節でもあります。りんごやぶどう、さつまいもやかぼちゃなど、美味しい食べ物がたくさんあります。食欲の秋と言われるように、秋は食べ物が特においしく感じられる季節です。

冬は寒さが身にしみる季節です。雪が降り積もり、街は白い銀世界に包まれます。冬には暖かい食べ物が恋しくなります。暖かいおでんや鍋、温かいココアやみかんなど、体を温める食べ物が好まれます。対照的に、冷たいアイスクリームや冷凍食品は少し寂しい気持ちを与えるものです。

四季の食べ物は、それぞれの季節の特徴や風景を感じることができます。食べ物を通じて、季節の移り変わりを楽しんでみてください。

 

じつは、この文章にたどり着くために3回ほど回答し直しています。

 

1回目は、どの季節の文章で「をかし」と「わろし」の対比を入れるか指定しておらず、2回目は字数の指定を追加し、3回目は「中学生が書くことを想定して」という項目を入れました。

 

特に、「中学生が書くことを想定して」という項目の有無は大きかったです。

 

課題の文章をそのまま入力しただけでは、自分が期待する回答を得られないのかもしれないと感じました。

 

そうなると、Chat GPTの回答をそのままコピペするのではなく、それを参考にして自分で再構成する必要がありそうです。