『空白小説』(氏田雄介・子狐裕介・水谷健吾 著)読了

昨日はスキー授業でした。

私は今回、諸事情により滑らなかったので、本部で待機していました。

本部待機のおともは、『空白小説』。

図書室の新刊の棚で見かけてから気になっていた本です。

 

”空白小説”とは何かというと…

『空白小説』は、書き出しと結びの文だけがはじめから決まっているショートショート集です。その間の空白をどう埋めるかで、物語は予測できない方向へと展開し、書き出しと結びのもつ意味は大きく変わります。あなたは「空白」の展開を予想できますか?(p.2 プロローグより)

この時点でワクワクがとまりません。

 

例えば「吾輩は猫である。名前はまだない。」という誰もが知っている有名なフレーズの「吾輩は猫である。」と「名前はまだない。」の間を埋めて、ショートショートを作るという試みのようです。

 

それ以外にも「間もなく列車がまいります。白線の内側までお待ちください。」という一度は耳にしたようなフレーズなどが、ショートショートの書き出しと結びの言葉として、新たな命を吹き込まれています。

 

この本には、それぞれのフレーズにつき7つのショートショートが収録されています。

笑いあり、ホラーあり、ほっこりする話あり…、同じフレーズからよくもまあこんなにいろいろなお話が生まれるものだなと感心しながら、ページをめくる手が止まりませんでした。

 

それもそのはず。著者の3人はショートショートの名手なのだそう。氏田さんは、あの『54字の物語』シリーズの作者、子狐さんは毎日ブログでショートストーリーを公開中、水谷さんはショートショート小説、チャットノベル等を中心に活動しているとのこと。

 

ショートショートは今まであまり読んでこなかったのですが、これから新たに開拓してみようかなと思いました。