『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』読了

私は現代短歌が好きです。

 

俵万智さんの短歌にはまり、そこから穂村弘さん、東直子さん、千葉聡さんなどの短歌集を読みました。

 

特に、千葉聡さんは高校の教員で、毎日小さな黒板に書いた短歌の写真をtwitterに載せています。

枡野浩一さんの短歌と出会ったのも、千葉さんのツイートでした。

そして、買ってしまいました。

『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』

本を開いてみると、1つのページに短歌は1首のみ。枡野さんの短歌は存在感が強いです。そのことを俵万智さんは、「どの一首も、ページから飛び出したくてうずうずしています。」と評しています。

 

 

短歌集の良いところは、読むたびに自分に刺さる歌が変わるところです。

今の私に刺さったのは次の七首。

 

「前向きになれと言われて前向きになれるのならば悩みはしない」

「無駄だろう? 意味ないだろう? 馬鹿だろう? 今さらだろう? でもやるんだよ!」

「「お召し上がり下さい」なんて上がったり下がったりして超いそがしい」

「塩酸をうすめたものが希塩酸ならば希望はうすめた望み」

「本人が読む場所に書く陰口はその本人に甘えた言葉」

「「がっかり」は期待しているときにだけ出てくる希望まみれの言葉」

「終わったとみんな言うけどおしまいがあるってことは素敵なことだ」

 

次に読み直したときは、どの短歌が私に刺さるんでしょうか。