大学入学共通テスト(国語・英語)を解いて、学習指導要領と照らし合わせてみた

今朝の朝刊に大学入学共通テストの問題が載っていたので、国語と英語の問題を解いてみました。

どちらも80分だったので、13時スタートで間に休憩を10分挟んで16時近くまで解きっぱなし。久しぶりに頭をフル回転させました。

 

結果はこんなかんじでした。

【国語】

第一問(評論)香川雅信『江戸の妖怪革命』:48点/50点

第二問(小説)加能作次郎『羽織と時計』 :44点/50点

第三問(古文)『栄花物語』       :31点/50点

第四問(漢文)『欧陽文忠公集』『韓非子』:50点/50点

計 173点/200点

【英語】

第1問:10点/10点

第2問:16点/20点

第3問:15点/15点

第4問:16点/16点

第5問:12点/15点

第6問:18点/24点

計 87点/100点

 

古文で大量失点しているのが痛い…

現場に出る前に勉強し直さなければと思いました。

 

いつもなら結果に一喜一憂して終わりにしてしまうのですが、今日は解き終わったあと、問題を解いていて感じたことと学習指導要領を照らし合わせてみました。

 

【国語】

(評論)文章の展開や要旨・要点に着目させている

問5は問題文を授業で習った生徒がノートを作るという設定の設問でした。

問5の(i)は本文を段落分けして小見出しをつける、(ii)は問題文のテーマについて自分なりに言い換えてまとめるという、普段の授業を意識した問題になっているという印象でした。

 

平成30年告示の高等学校学習指導要領の「現代国語」にある、

C 読むこと

ア  文章の種類を踏まえて,内容や構成,論理の展開などについて叙述を基に的確に捉え,要旨や要点を把握すること。

の部分とつながってきそうだなと思いました。

 

 

(全般)複数のテキストを関連づけたり読み比べたりさせている

評論:問題文+生徒のノート

小説:問題文+新聞に掲載された作品を批評した文章

古文:『栄花物語』の該当箇所+本文に出てくる歌と同じ歌が記されている『千載和歌集』に関する文章

漢文:『欧陽文忠公集』の漢詩+『韓非子』の文章(どちらも馬車を操縦する御術に関するもの)

↑このように、関連する複数のテキストを示し、それらを関連づけたり読み比べたりして解く問題が4つの分野すべてで出題されています。

 

学習指導要領では、「現代の国語」の「C 読むこと」の

イ  目的に応じて,文章や図表などに含まれている情報を相互に関係付けながら,内容や書き手の意図を解釈したり,文章の構成や論理の展開などについて評価したりするとともに,自分の考えを深めること。

という箇所や、「言語文化」の「B 読むこと」の

エ作品や文章の成立した背景や他の作品などとの関係を踏まえ,内容の解釈を深めること。 

という部分を意識した出題になっているのではないでしょうか。

 

 

【英語】

※英語に関しては専門ではないので思いっきり感想です。

文法問題がなくなっている!

私がセンター試験を受験した際に第1問として出題されていた、穴埋め形式の文法問題や「並べ替えて3番目と5番目の語句の組み合わせを答えよ」というような文法問題が共通テストでは一切なくなっています。これは、現在塾で担当している高校3年生の共通テスト対策用問題集を見てびっくりしたことでもあります。

第1問からまとまった文章を読んで答える問題が最後まで続くので、私は解くのがぎりぎりで見直す時間がとれないほどでした。

 

また、テキストもLINEのような文章やeメール、ポスター、パワーポイントのスライドのようなものなど、より日常的で実践的な読解力が試されているような気がしました。

学習指導要領の英語の目標の1つである、

(2)コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,日常的な話題や社会的な話題について,英語で情報や考えなどの概要や要点,詳細,話し手や書き手の意図などを的確に理解したり,これらを活用して適切に表現したり伝え合ったりすることができる力を養う。

というところと関係がありそうです。

 

 

複数テキスト(3つ以上)から必要な情報を取捨選択する力が問われている

第4問は生徒と教員のeメール2通、電車の時刻表(行きと帰り)、施設の混雑具合のグラフ、スケジュール表と4種類のテキストを読み比べ、適切な資料から必要な情報を読み取らないと解けないような問題の作りになっています。

 

 

事実と意見を分けて読み取れるかを問われている

第2問のA・Bでは設問に”fact”(事実)や"opinion"(意見)という語句が太字で入っており、テキストや図・表などの資料からわかる事実(もしくは意見)は何かという問い方をしています。

 

英語とは直接関係ないかもしれませんが、学習指導要領の現代の国語の内容部分に、

ア 主張と論拠など情報と情報との関係について理解すること。
イ 個別の情報と一般化された情報との関係について理解すること。

とあります。

 

フェイクニュース等がネット上で氾濫しており、ネットリテラシーがないと適切な情報にたどりつきにくい現在、事実と意見を分けられる能力が問われているのかなとちょっと思いました。

 

 

大手予備校のサイトに行けばもっと詳細な解説が載っているだろうし、YouTubeなんかにも解説動画等が載っているだろうとは思いますが、解いてみた感想をまとめてみました。

 

新学習指導要領と照らし合わせてみようかな、という思いつきは、教職大学院に入っていなかったら出てこなかったかもしれませんね。