自分を好きになれば人をどんどん好きになれる(サヘル・ローズさんの記事を読んで)

コロナウイルスの感染拡大に加え、特に北日本や北陸などの日本海側では大雪に見舞われるなど、暗いニュースが最近目につきます。

 

そんなある日、雪の影響で遅れて届いた新聞に目を通していると、母から「こんな記事あったよ」と俳優のサヘル・ローズさんのインタビュー記事を教えてもらいました。

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サヘルさんは農業高校への進学をきっかけに、農業の持つ包容力に救われ、心を耕すことができたそうです。

私は昨年の夏から冬まで農業高校で非常勤として働いていたこともあり、記事の内容に親近感が湧き、心の中にすっと入ってきました。

 

中学生の頃いじめに遭っていたサヘルさんは、高校に進学してからも人と関わろうとはしなかったそうです。「どうしたの?」と声を掛けてくれた国語の先生に、サヘルさんはせきをきったようにこれまでのことを話し、その話を先生は最後まで聞いてくれたそうです。そして、

野菜や果物など生き物が育つ過程には、さまざまな方法がある

と農業を例えにして、

つまり、正解は一つじゃない。失敗や回り道は未来の糧。自分らしさを否定する理由などなくて、自分を好きになれば、出会った人の個性も分かるし、人をどんどん好きになれる

ときっぱり言ってくれたのだそう。

 

「自分を好きになれば人をどんどん好きになれる」というのが印象的でした。

たしかに自分のまわりには自分と似たような人が集まってきます。「朱に交われば赤くなる」とはよく言ったものです。まず自分のことを好きになり受け入れられなければ、自分とどこか似たところのあるまわりの人たちを好きになれないような気がします。

 

また、サヘルさんにとって母親(養母)の存在はとても大きいようです。お母さんはテヘランの孤児院にいたサヘルさんを引き取って日本に渡り、ひどい苦労をしながらサヘルさんを育ててくれたそう。

 

親に置き去りにされたサヘルさんを引き取り、異国の地で立派に育て上げたお母さんと、冷めきった心を耕して温め直してくれた園芸高校の存在が、サヘルさんのよりどころになっているのかなと思いました。

 

 

以前、「専門高校に進学したのに、それに関する仕事に就かない生徒が多い」という声を聞いたことがありました。

 

私は「自分の偏差値と照らし合わせて入れる高校に入る」という消極的な進路選択ではなく、将来を見据えた進路選択をしてほしいと思っています。

 

ただ、思いがけず進んだ高校で人生を変えるような出会いがあったり経験をしたりすることもあるのかもしれない、とちょっと思いました。