西川純研究室の全体ゼミのローカル会話は実は宝の山

西川研究室のゼミは学年ゼミと全体ゼミの2つある。

 

学年ゼミはソクラテスの問答法よろしく、ゼミ生が質問し、西川先生がそれに答えるという形で進めていく。先生が「神羅万象天地間なんでも答える」と仰っているように、質問の内容は多岐にわたる。M2ゼミともなると、『学び合い』に関する質問はまれ(あっても連携プロジェクトで『学び合い』を実践している際の悩みくらい)で、今後の社会のことや幸せについて、人生についてなど生き方の話が多くなる。プロポーズの時期を大真面目で質問するゼミ生もいるくらいだ。

 

そんな学年ゼミでの質問は、研究室のYouTubeチャンネルで公開している。登録者1000人を目指しているのでよろしかったらぜひ(現在800人くらい)。

www.youtube.com

 

前置きが長くなったが、今日のお話はもう一つの全他ゼミのお話。

全体ゼミは研究室としてのミッションを達成するために、その進捗状況等について全体で話し合う場だ。週に一度、ゼミ生全員が一堂に会する貴重な機会。

西川研究室のミッションは「日本を変える」こと。そのために本を執筆したりオンラインで話す場を作ったりするなど、さまざまなことを行っている。

 

全体ゼミで全員が静かに誰かの話を聞いている、なんてことはまずない。年に一度か二度、西川先生がいらっしゃって重要な話をするときくらいだ。

それ以外は、議題を進めつつもいろんなところでローカル会話が発生している。わからないことを隣の人に確認したり、議題と関係ある別の話題で盛り上がっていたり、まったく関係のない話をしていたり…

だから、全体ゼミの間はけっこうわちゃわちゃしている。

 

ただ、このわちゃわちゃした会話の中に「いいなぁ」と思うことがけっこうある。自分にはなかった視点に気づいたり、当たり前だけど忘れかけていたことを思い出させてくれたりする。

 

昨日は、同期がM1の子に対して「何か困ってることない?」となにげなくさらっと聞いているのを見て、「あぁ先輩としてこうありたいなぁ」と思った。

去年はM1だったのでM2の先輩にくっついて何かやっていればよかった。しかし自身がM2になった今は全体を見つつ、自分やゼミのタスクを進めつつ、M1の様子を観察し話をしながら適度にフォローするということを同時にする必要が出てきた。

 

自分からうまくいっていない現状をさらけ出すのはけっこう難しい。それが後輩から先輩に言わなければならないとなればなおさら。だとしたら先輩が初期段階で声を掛け、困っていることやうまくいっていないことを聞くことが大切なのかなと思う。そして、そういう話をするには、普段から良好な関係を築いておくことが大切になる。

 

昨日のゼミで耳にした「何か困ってることない?」はワンシーンにすぎないけれど、それまでの関係性が垣間見えて素敵だなぁと思った。

 

また、「個人は変えられないから、問題があるならシステムを変えた方がいい」というフレーズにもハッとした。どうしてもなにか困ったことや問題が起こると原因を人に求めがちである。忙しさにかまけて視野が狭くなると、自分だけが仕事をしているような気になってしまう。しかしながら、こうした「困ったこと」は往々にしてシステムに問題があることが多い。

 

私は発言を求められない限り全体ゼミではほとんどしゃべらないのだが、あちこちで起こるローカル会話に耳を澄ませていると、ローカル会話は宝の山だと感じる。

こればっかりは西川研究室に所属してみないとわからないんだよなぁ。