『まなの本棚』(芦田愛菜)読了

本好きの人とは何かしら共通点があるものなのかもしれない。

まなの本棚

まなの本棚

 

『まなの本棚』を読んでいてそう思った。

 

なにしろ共感できる部分が多い。「そうだよねー」「わかるー!」という部分にふせんを貼りながら読んでいたら、本がふせんだらけになりそうだった。

 

 私自身、誰かに「これ読んでみて」と言われた本よりも、「何だかこの本に呼ばれてる!」って直感して手に取った本のほうが、出会うべき一冊だったってことが多いのです。だから、他の人に「おすすめは?」と聞かれると、その人の大切な本との出会いを私が決めてしまっていいのかな……?って。(p.15)

 

 ほんとうに不思議なのですが、本の背表紙を見ていると、背表紙がキラッと光って見えて「あ、この本を読んでみたいなぁ……」と思えるものが目に入ってくるんです!まさに直感で選んでいるのですが、それで「ほんとうにおもしろい!」と思えるような、ものすごく相性のよい本にめぐり会えてきているんです。(p.31)

 

本の背表紙が光る感覚は私もときどきある。なぜ光るのか、どのようなジャンルの本なのかはよくわからないのだが、”光った本”というのはあたりであることが多い。

 

『まなの本棚』では、芦田さんの本好きへの扉を開いた6冊から始まり、芦田さんが選んだ84冊が「小学生で夢中になった児童書」「きょうだいや家族への思い」「止まらなくなる!海外ミステリー!」などのようにカテゴリーごとにまとまって紹介されている。

 

紹介されていた本のうち半分くらいは読んだことのある本だったのだが、「そうそう!」と思う部分もあれば、「そういう視点で読むのかぁ」と思うところもあり、本を通して対話しているような気分になった。

 

芦田さんも本が好きな友達と読んだ本の話をよくするらしい。

同じ本を読んでいても目の付け所は人それぞれなので、「あ、そこなのね」と自分にはない読み方をしているのを聞くのはおもしろい。読んだ本について人と話す醍醐味はここにあると思う。

 

芦田さんは特に辻村さんの本が好きなようで、作品への愛がひしひしと伝わってきた。この本の中では辻村さんとの対談も掲載されている。

 

辻村深月さんや星新一さんの本は「読んでみようかなぁ」と思うものの、今までなかなか手が出せずにいた。これを機に読んでみようと思う。

 

先日、某授業で「国語教員なのに星新一を読んだことない人がいる!」とびっくりされたばかりだし笑