教え子との「いい感じの」関係性とは

私は大学院に入る前に3年ほど常勤講師をしていたので、一応"教え子"というのが存在する。

 

先日、その"教え子"の一人から連絡が来た。

「浪人してしっかり勉強し、来年また再チャレンジする」とのことだった。

 

冷淡に聞こえるかもしれないが、私は連絡が来たその日まで、彼のことはすっかり忘れていた。

 

私のところにわりと頻繁に相談しに来ていた印象はあったが、3年の講師経験のうちの1年間、週に2コマの授業を担当していただけの関係性だ。

 

ただ、彼が他の生徒と違っていたのは、

①高3に上がる段階で文転し、大学受験したこと

②国公立を受験しようとしていたこと

 

私の元勤務校は私大を受験する生徒がほとんどで、国公立を受験しようとするのは基本的に最上位層を集めたクラスの生徒のみ。そのため、最上位クラスとそれ以外のクラスでは高2、高3の科目数が大きく違う。文系の普通クラスの高3は、国語・英語・社会の3つに絞って集中的に授業をするのでカリキュラム的に国公立の受験は厳しいのだ。

 

「文転かつ国公立」という超ハードモードを突き進もうとしている彼を見て、「大丈夫かなぁ」と内心思いつつ、「まぁ、私は最後まで責任取れないし」と元勤務校を去り、今まで存在すら忘れていたのだった。

 

教え子から連絡が来るのは、うれしいことはうれしい。

 

ただ、卒業したらもう教員のことなど忘れてしまった方がいいとも思っている。1人の教員が彼ら、彼女らにずっと付き添うことは不可能だからだ。

 

卒業後も何かしらの形でつながっていられるような仲間を持てるようにすることが教員としてできることかな、と今は思っている。

 

まぁ、教え子から連絡が来たとして「あ、そうなのね」くらいの関係でいられるのがいいのかなぁ、とも思ってみたり。