春分の日と『和菓子のアン』

今日は春分の日。昼と夜の長さが同じになる日として知られている。

また。春分の日はお彼岸の中日でもある。

お彼岸はご先祖様に感謝を伝える期間なのだそうだ。

 

「暑さも寒さも彼岸まで」という言葉の通り、この頃になると寒さが和らいで暖かくなってくる。

今年は暖冬だったが、それでも冬は寒い。

それでも、最近は春色のカーディガンに袖を通したくなっている自分がいる。

 

さてさて。お彼岸と言えば”ぼたもち”である。今朝の食卓にも、母お手製のぼたもちが並んだ。

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春のお彼岸は「牡丹餅(ぼたもち)」

秋のお彼岸は「お萩(おはぎ)」

 

食卓のぼたもちを見て思い出したのが、『和菓子のアン』(坂木司)という本。

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『和菓子のアン』は、デパ地下の和菓子屋「みつ屋」で働き始めた主人公、梅本杏子(通称アンちゃん)が個性豊かな店長、同僚に囲まれ、和菓子の魅力に目覚めていくお仕事ミステリーである。

和菓子に関する短編が5つあり、その中に「萩と牡丹」というおはぎとぼたもちについてのお話もある。

 

我が家は、母と妹が茶道をやっていたこともあり、洋菓子だけでなく和菓子にもなじみがある。

妹が帰省するたびに買ってくる練り切りなどの和菓子を「かわいらしいなぁ」と思いながらおいしく食べていたのだが、その歴史や由来について思いを馳せたことはなかった。

 

歴史や由来を知らなくても和菓子はおいしいのだが、それらを知ることによって、より和菓子に興味を持つようになった。そのきっかけになったのが『和菓子のアン』である。

 

春分の日のように、季節の変わり目は人間の体にも変化が生じる。

今はあまり伝統や風習を気にしなくても生きていけるようになったが、ときどき思い出して旬のものや昔から食べられているものを口にするのもいいのかなと思う。